芸術科教育コースによるブログです。授業内容や学校生活の様子などを更新していきます。

2012年2月6日月曜日

3月の学会発表へ向けての試み

こんにちは。今日の筑波は、朝から雨です。
 学生時代(*和田)、筑波大学の敷地内の寮で過ごしましたが、雨が降ると外出が大変で苦労した思い出があります。なぜかといいますと、つくばは研究施設が多いため、学園都市の敷地のほとんどが広大な研究機関の所有地になっています。そのため、目的地へ向かうおうとすると立ち入り禁止区域が多いため、遠回りせざるをえず、移動距離が非常に長くなります。車を持ってないと不便で、自転車だと雨が降ると外出が億劫になってしまいます。ですが、初夏や秋になると、この長い道なりに埋められたポプラ並木の緑の葉の色や紅葉がとてもきれいで壮観なので、いい所もあり難点もありといった所です。

 今日は、3月末の美術科教育学会の発表へ向け、準備を進めている芸術科教育コースの院生(修士課程)の三人の方の合同研究の内容について触れたと思います。まだ、正式に3月の美術教育学会の発表の詳細がホームページなどに公示されておりませんので、詳しい言及は避けたいと思います。ここでは、学会発表の予告編のようなものとみて頂ければ幸いです。

 この学会発表までのいきさつは、水曜日(通年)の芸術科教育実践演習にあります。この授業では西條剛央さん『ライブ講義 質的研究とは何か』を基にして新しい美術教育の研究方法を模索してきました。二学期・三学期は、いよいよこの研究方法を用いた実践となります。
 
 水曜日の授業では、二学期、受講生のみなさんと共に、美術教育の今後の課題・問題点は何か?ということを討論していたのですが、話し合って行くうちに、様々な問題点がでました。そこで、それらの問題点を一つ一つ統一・整理してゆくことで、最終的に一つの問題点を導き出しました。それは、美術教育以外の他の学校教育コースの方々は、美術教育のことをどのように考えているのだろうか?というものです。この問題点は、今まで、あまり触れられたことがありませんでした。
 さて、この問題点を解決するための指標として、西條さん『ライブ講義 質的研究とは何か』から、研究方法を参考にすることにしました。この著書『質的研究とは何か』では、作者の西條さんが実際に院生さんの授業で行った研究調査の実習内容が講義形式で記されております。教育実習を終えた学生さんの方のレポートを基にして、教育実習生の方々がどのような葛藤や問題点をかかえているのかを調査する研究の経過が記されております。そして、受講生のみなさんが、実際に教育実習生の方々にインタビューし、その内容を分析し、そこから導き出された結果を基に図を制作し、問題点を浮き彫りにしょうと試行錯誤しています。
 芸術科教育コースの授業では、一学期、この西條さんの著書の研究方法を検討してきました。三学期に入り、この西條さんの著書の調査方法を基に、美術教育の専門外の教育関係者の方がどのように美術教育のことを考えているのか調査することになりました。三人の受講生の方々が、それぞれ、他の教育研究科のコースの院生さん達の所にインタビューへ行き、美術教育のイメージ・印象・思い出などをインタビューしました。次に、そのインタビューした録音内容を文章で書き起こし、どういう考え方が現われているのか各自分析しました。更に、その考え方を図でまとめてあらわし、今後の美術教育における問題点が示唆できるないのではないか、検証しました。
 特に大変だった所は、三人のインタビュー結果から導き出されたものが、当然、異なりますので、それを統合することだったように思えます。もうすぐ、正式に3月の美術教育学会の発表内容がホームページなどで公示されると思いますので、その際、この調査経過の詳細も公開したいと思います。