芸術科教育コースによるブログです。授業内容や学校生活の様子などを更新していきます。

2012年12月14日金曜日

3学期の芸術科教育特講の授業が始まりました。

12月5日(水)から、3学期の芸術科教育特講の授業が始まりました。今学期の授業では、学習科学というテーマのもと、美術教育の研究方法について考察することになりました。三宅なほみ・三宅芳雄・白水始「学習科学と認知科学」『Cognitive Studies』9(3),pp.328-337(Sep.2002)によると、学習科学の特徴として「現場の学習を扱うこと・認知研究を基盤にすること・テクノロジーを駆使すること」(p.328)の3つがあげられています。第二回目の授業では、学習科学について、映像を通じて、数学アートの世界やコンピューターを使った図画の授業を見た後、前述の論考を基に、一例として、生徒同士が互いに学びあう協調学習の効果などについて考察しました。

2012年12月13日木曜日

3学期の芸術鑑賞論Aの授業が始まりました。

 12月4日(火)から芸術鑑賞論Aの3学期の授業が始まりました。今学期は、「モラル・ジレンマ」というテーマから、芸術鑑賞の可能性を考察することになりました。「モラル・ジレンマ」とは、人間が、道徳的なジレンマや葛藤を感じる場面に遭遇した際の状態を指します。このような状況に遭遇した際、どうすればよいのか、もしくは、どちらかに選択しなければなりませんが、その全ての選択肢に同等の価値が認められ、どちらかに優劣の順位をつけなければならない状態になります。この状態の際、人間は、道徳的な問題の観点に頼って、選択肢の優劣の順位を決まるしかありません。これが「モラル・ジレンマ」となります。  例えば、美術にこの問題をあてはめてみるとどうでしょうか。ある美術館の有名な美術作品が事件に遭遇し、損傷してしまったとします。その後、それを修復する際、実は偽物であったと分かったとします。その美術館の館長は、「このまま修復を続けるべきかどうか」悩むかと思います。この館長の立場となって、この問題を考えた際、ただ、修復するかしないのかを答えるだけでなく、なぜ、そう選んだのかという理由も考えて答える必要があります。  今学期は、受講者のみなさんが、このように、「モラル・ジレンマ」を美術業界にあてはめた際、どのような状況が考えられるのか、また、それに対してどのような回答を得られるのかを、実践し学びます。その後、各受講者のみなさんが、独自にこの「モラル・ジレンマ」を活用して、鑑賞計画を建て、ミニ実践を行ってもらうことになります。