芸術科教育コースによるブログです。授業内容や学校生活の様子などを更新していきます。

2012年7月4日水曜日

教育と学生との懇談会(教育研究科)がありました。

今日、7月4日(水)16:45〜18:00に筑波大学文科系修士棟 教育研究科大講義室にて、教育と学生との懇談会(教育研究科)がありました。各コースごとに分かれて、院生の方達が普段、考えている要望を教員の方達に伝える懇談会です。芸術科教育コースでも、話し合われました。ところで、今週、土曜日(7月7日)午後には、教育研究科にとって初めてとなる合同説明会があります。詳しい内容は教育研究科ホームページに掲載されておりますので、御気軽に御参加ください。

芸術科教育特講(10回目/1学期終了)の授業がありました

先週の水曜日になりますが、芸術科教育特講の1学期の授業が終わりました。今学期は、『はじめての質的研究法 教育・学習編』(東京図書)の各章を毎回の授業で講読しデイスカッションを重ねながら、美術科教育の研究分野への質的研究法の活用について検討してきました。一学期の最期の授業では、受講生の方が最も重要と思えた章をとりあげ、自分の研究分野にどのように役立てることができるのか、その可能性について発表して頂きました。  お一人の方は、「第8章 教室談話を介した学習の変容過程の記述分析から」を基に、ご自身の特別支援教育の授業を研究する際のリサーチのための指標として検討されていました。注目されていた点は、授業中の生徒の発話を調査する際、教師の学習支援活動が生徒の発話行為に影響を及ぼす、という所です。また、もう一人の方は、「第5章 質的・量的分析を組み合わせた仮説生成より」から、気になる専門用語を取り出して注目し、あまり多くの研究方法を一つの研究において多様するべきではなく、一方法を根気よく用いることが必要であると結論付けていました。

芸術科教育研究A(9回目)の授業について

先々週の火曜日になりますが、芸術科教育研究(9回目)の授業がありました。受講生の方お一人に、大学院修士課程の研究テーマとなる内容について図式を中心にして説明して頂きました。研究テーマは、幼児のための造形あそびの考察—教員養成課程における美術教育の展開—です。幼児教育における造形あそびに注目し、日本の教育現場において見直すべき点について考察されていました。この受講生の方は青年海外協力隊の一員としてアフリカのガボンに教員として働いており、その時の経験を交え研究を進めてゆきたいそうです。

2012年7月2日月曜日

芸術鑑賞論Aの授業(10回目/1学期終了)がありました

先週の火曜日、芸術鑑賞論Aの授業が終わりました。最後に、受講生お一人お一人が各自作品を選び、鑑賞文をA4紙により作成し、授業内で発表して頂きました。以下、7つの鑑賞文の題目・扱った作品・内容について記しておこうと思います。 ■(1)題目「真に迫る最期の情景」 作品○ミレイ[オフィーリア](絵画) 作者ミレイの生い立ち、作品が描かれた際のエピソードを記し、画中に描かれた花の花言葉の意味を調べ、作品の悲劇的な主題との関連性を解釈しています。 ■ (2)題目「こだわりのルール」 作品○戸来貴規[日記](オブジェ)作品の素材や作品の構造を分析し、作者の生い立ちや作品にまつわるエピソードを記し、それらを基に、制作時、作者がどのような心象状態であったかを解釈しています。 ■(3) 題目「題目なし」 作品○小川于銭「水魅戯」(水墨画) 作品の中に描かれたモチーフの様子を分析し、作者の水墨画表現の様式の説明、そして、制作の当時起きた関東大震災と作品のテーマとの関連性を解釈しています。 ■(4) 題目「日常のワンシーンを描く」 ○ホッパー「日曜日」(絵画) 作品に描かれたモチーフや作品タイトルと主題との関係を記し、作者の絵画表現の様式について説明した後、作品を映画や映像のワンシーンに喩え、作者の残した言葉との関係も交え、作品の意味を解釈しています。 ■(5)題目「ダークで、キュートな風刺画」 ○ゾーバ「じゃがいも倉庫へ」(絵画)作品のモチーフを記述し、作品全体のモチーフ同士の関係からストーリーをつくり出し、作者の生い立ち、作品の制作時のエピソードと時代背景を記した後、作者が当時の社会の様子を描き記したのではないかと解釈しています。 ■(6)題目「果ての果ての輝く生命を求めて」 ○草間彌生「果てしない人間の一生」作品のジャンルが何なのか問題点を提起し、作者の生い立ちと作風への影響、作品タイトルと作品のモチーフとの関係性、作品の形式の分析、作者の作った詩の言葉と作品に描かれたモチーフとの関係性が解釈されています。 ■(7)題目「題目なし」ジャコメッリ「死が訪れて君の眼に取って代わるだろう」(写真)作者の生い立ちと作風、作品制作時の時代背景を交え、作品内に写された二つの大きな対比関係を分析し、作品の意味について解釈しています。