芸術科教育コースによるブログです。授業内容や学校生活の様子などを更新していきます。

2012年5月29日火曜日

芸術科教育特講(6回目)について

先週の水曜日となりますが、芸術科教育特講(6回目)の授業がありました。 この授業では、毎回、『はじめての質的研究法—教育・学習編』というアンソロジーを毎週、各章ごとに講読し、美術教育における質的研究法の有効性を、みなさんで検討する授業です。院生の方が毎回、担当されました著書の章を要約しご自分の意見を発表し、みんなでデイスカッションする授業の形式をとっております。今回は、第11章「幼少連携カリキュラム開発へのアクション・リサーチ」(藤江康彦)を対象としました。  ここでは「アクション・リサーチ」というリサーチ方法が扱われております。 アクション・リサーチとは、教育現場を研究対象としてリサーチするだけではなく、実際に研究者がその教育現場に関わることで、その場固有の問題解決策を提案し、その方策を用いて問題解決を実際に行い、その結果を評価します。  今回の資料の中では、アクション・リサーチを用いて、幼稚園と小学校一年生の連携をはかるための幼少連携カリキュラム開発が分析されています。具体的な研究対象は、この幼少連携カリキュラムの開発に携わった人達の会議の口頭記録です。研究者本人もこの開発会議に参加しています。分析の焦点は、幼稚園と小学校の担当者達の用いている教育のねらいやカリキュラムという言葉の意味の違い、ずれです。このずれが、会議が進行するに従って変化していっていることに研究者の方は注目しています。