芸術科教育コースによるブログです。授業内容や学校生活の様子などを更新していきます。

2012年1月26日木曜日

こんにちは。まだ、筑波では日陰に雪が積もっています。こんなに雪が残るとは思いませんでした。。。
 今日は、芸術科教育コースに在籍中の院生の方の個人研究の一つについて紹介し、対話型鑑賞の実践について昨日からの続きを紹介したいと思います。(文責・和田学)

■モルデイブ共和国の美術教育 開発途上国における美術教育開発はどうあるべきか(仮題)

 モルデイブ共和国はインドの南西に位置する島国です。本コースに在籍する院生の方は、青年海外協力隊の活動の一貫で現地の小学校に図画工作の教員として派遣されたそうです。そして、その教員体験を基に、このモルデイブの図画工作教育のあるべき姿について検討し、具体的なモデルの開発も視野に入れて研究を進めるそうです。この国は、経済発展に大きく貢献する理数教科に力を入れ、美術教育には力を入れていないそうです。モルデイブの美術教育は、Practical Artと呼ばれ、実践的な技術とでも訳せるでしょうか、日本の技術科教育などと同じような性質を持つそうです。つまり、日本のように情操を育むような教育ではないそうです。そこで、この国において、美術教育がどうあるべきか、考察するそうです。

 明日は、現代アートの要素を含んだ共同制作による生徒間のコミュニケーションの可能性(仮題)です。

■芸術鑑賞論B

青木孝浩先生「対話型鑑賞法における『言葉のツール』考察レポート」から
(一部省略しています。)
*昨日からの続き

□トーク終了時の問いかけ
「今日はよく意見が言えました。友だちの意見を聞いて、どうだったかな?人それぞれ見方、感じ方を知ることができてよかったですね。」「一つの作品で、こんなに話しあったこと、あったかな?今日は、それだけでもすごいよね。また今度違う作品でトークしてみよう。」
「みんなの意見を聞きながら、この作品について自分の考え方を持てたかな?」「今日は先生が質問しながら進めたけど、今度、ぜひ美術館に行って、友だちとトークしてみよう。きっと新しい発見があるよ。」

□対話型をしやすくするための普段からの取り組み
●制作の時の机間指導中、褒めるときには、できるだけ具体的に褒める。そして、作品の印象を簡潔に言ってあげる。
●校内展示の名画の複製画に「投げかけキャプション」を付ける。例えば、ゴッホの星月夜の絵なら、「どうして空をこんな風に描いたのだろう」という風にです。結構生徒は足をとめて絵を見ながら、あれこれ対話するものです。

まとめとして(*最後に青木先生の一言です)

対話型鑑賞では、様々な言葉のツールを駆使していく必要がありますが、学校で行う場合(子どもを相手に行う場合)一番大切なのは子どもの目線を大切にするという視点だと思います。子どもは、大人と同じように見たり感じたりしていませんから、それを踏まえながら、発達段階に応じた発問をしていくことが大切ではないでしょうか。

 青木先生、ありがとうございました。