芸術科教育コースによるブログです。授業内容や学校生活の様子などを更新していきます。

2012年6月7日木曜日

芸術鑑賞論A(7回目)について

こんにちは。筑波もだいぶ暑くなりました。  先日、火曜日には芸術鑑賞論Aの授業がありました。前回の続きとして、受講生の方々が自らの鑑賞文を自己分析した結果を、発表をしました。その後、この鑑賞文の分析のためのカテゴリーを用いて、受講生の方々が二人ずつペアになり、複製画を用いて対話型鑑賞をし、鑑賞中に自己分析をしながら鑑賞行為をすすめることになりました。  鑑賞中の自分自身を再認識しながら鑑賞行為を続けることで、絶えず、見方や考えを更新することができる試みだと思います。ですが、実際に鑑賞文のカテゴリー表を見ながら、鑑賞行為中に自己分析していくことは、なかなか難しいものです。それに、鑑賞行為の自然な流れを壊してしまうかもしれません。      そこで、石崎和宏先生が開発した携帯サイズの鑑賞キットを用いることになりました。この鑑賞キットは、数センチ四方の厚紙の中央に透明な四角いホルダーが付いておりますので、その中へ複製画を入れ、その周辺に、作品要素と鑑賞行為の分類名を記した小さなタグが、キットの周辺にぐるりと縦横の一方の片辺に計10個付いているものです。ちなみに非売品です。鑑賞する複製画の各要素の項目として、主題・表現性・造形表現・スタイルという名称のタグが4つ並び、鑑賞行為については、連想・観察・感想・分析・解釈・判断のタグが6つ横に並んでおります。タグを引っ張ると、タグが伸びて、その言葉の意味が書かれた短文を読むことができます。  今回、ペアで対話型鑑賞をしてもらいましたが、一方の方が進行役となり、もう一方の方は鑑賞する側となります。進行役の方は、鑑賞した方の発話内容から、どの作品要素に該当するのか、どのような行為に該当するのかを、逐次考え、それに該当するタグを引っ張ることで、鑑賞者の方に自分の鑑賞行為を認識してもらいます。メタ認知と呼ばれ、自分の認知の行為を更に客観的に認知する活動です。