芸術科教育コースによるブログです。授業内容や学校生活の様子などを更新していきます。

2012年6月12日火曜日

芸術科教育特講(8回目)の授業について

こんにちは。この授業は『はじめての質的研究法ー教育・学習編ー』(東京図書)を購読し、質的研究法の美術教育分野での活用の可能性を検討してゆくことが主な授業目的となっております。今回は「第八章 教室談話を介した学習の変容課程の記述分析」です。この研究は、道徳の授業中、生徒が談話を重ねてゆく中で、教師の指導により、生徒が話す対象の人物が変容するという場面を考察したものです。教師の側に向いて談話していた生徒が、指導を受けると、他の生徒に向け談話を始める、などがその例です。この研究で明らかになってきたことは、教室での生徒の談話が言語のみに限らず、生徒の立ち位置や身体の動き、視線の動きなどの非言語的な要素により成立していることです。また、教師の指導による生徒の談話行為の修正や、生徒同士の関係も大きく関係するそうです。更に、談話の文脈は絶えず変化してゆきますので、過去に話した内容が、その後に話した内容により意味が変わることもあるそうです。美術教育分野においては対話型鑑賞を視野に入れてはどうかという意見などが出ました。