芸術科教育コースによるブログです。授業内容や学校生活の様子などを更新していきます。

2012年11月6日火曜日

芸術鑑賞論A(10月16日・10月30日・11月6日)の授業

10月16日・10月30日・11月6日の三回の授業の中で6人の院生の方により、鑑賞ワークショップが提案•実演されました。ワークショップの参加者の方々も院生の方々です。以下、その6人の方のワークショップを概観したいと思います。  ●先ず、絵に描かれた顔をテーマにして、鑑賞のワークショップが行われました。導入部で、福山雅治の顔の写真を例として提示し、顔を知らない人に言葉だけでその人の特徴を伝えることが困難であることが説明されます。次に、画家アンソールの顔が多く描かれた絵画作品の複製を提示し、参加者同士で自分がどの顔を選んだのか、言葉だけで相手に伝言しながら当てるというゲームを行います。次に漫画家のあだち充さんのキャラクターの顔が数多く掲載された図版を提示し、再び、どの顔を選んだのか言葉だけで相手に伝えるゲームを行いました。 ●国吉康雄の絵画作品を用いて、鑑賞のワークショップが行われました。参加者の方々は、先ず、国吉[鯨に驚く姉妹]という作品を基に、画家の経歴について説明を受けます。次に、参加者のお一人お一人が、国吉の7枚の絵画作品の複製図版(紙媒体・縮小したもの)を受け取り、一枚一枚の作品を見て、簡単な記述をし、分析したうえで、それを制作年代順に並べる活動をします。そして、なぜ、そういう順番に並べたのか、参加者らにその理由も聞いていきます。  ●澤田知子さん[OMIAI]という作品を使って鑑賞のワークショップが行われました。この作品は、お見合い形式で撮影された女性の写真が作品になっているものです。ワークショップでは、先ず,そのお見合い写真の複製を五枚、ワークショップ参加者に提示して、男性参加者の場合、結婚する相手を誰にするかを選び、女性の参加者の場合、息子さんがいたら、その結婚相手を誰にするのか選びます。その五枚の写真をボード貼り、ファシリテーター(院生の方)が、誰をどんな理由で選んだのかを聞いていきます。次に、澤田知子さんの別の写真作品(証明写真が数多く連なったもの)を見ることで、この作品の制作がいつ・どこで・何を・何によってなされたのかを考察し、各参加者らが一言ずつキャプションに記し、それをボードに貼り出し、対話型鑑賞を行いました。  ●物に変形するようデザインされた服をモチーフにし、鑑賞のワークショップが行われました。まず、布状でできた、色彩豊かなソフトクリーム・ホットケーキ・軍艦巻きなどの写真図版がみんなの前に差し出されました。図版にあらわれたモチーフは解体すると服になり身にまとうことが可能です。これを知ってもらい、みんなに物が変形する服について知ってもらいます。次に、より複雑な形をした変形する服を四種類提示し、人が身にまとったものと、物状になっているものの2パターンから、どの物がどの服なのかを当ててもらうゲームを行います。これらは、四人一組になって話し合いながら、どの服が変形したものなのかを推察していき、理由も考えていきます。 ●「作品を表わす二字熟語を考えよう」山下清さんの油絵や貼り絵などを見て、連想して、あてはまる二字熟語を選び、その理由を述べるというものです。あらかじめ準備されていた二字熟語の中から該当すると思われるものを各自参加者の方々が選び、その理由を述べていきます。次に、「作品から来年の抱負を考えよう」となり、山下清の花火をテーマとした貼り絵が年賀状にプリントされたものを見て、来年の抱負を二字熟語で記し、その理由も記します、参考として山下清の日記に記された内容も参考にすることができます。 ●ガボンのお墓を参考にして、アフリカ芸術の理解を深めるというワークショップを行いました。アフリカで用いられている民具がホワイトボードに張り出されますので、それを鑑賞し、各自参加者の方が意見を述べていきます。その後、実際にオリジナルの仮面を、ペンで描き、各自、自由にデザインします。最終的には、ガボンのお墓の写真を見て、これが芸術作品なのか、だとしたら価値があるのかどうか、をデザイン性などから、五段階のチエックリストを用いて評価します。