芸術科教育コースによるブログです。授業内容や学校生活の様子などを更新していきます。

2012年10月6日土曜日

9月26日(水)芸術科教育特講(3回目)について

9月26日(水)には、芸術科教育特講(3回目)の授業がありました。この授業では、図画工作•美術教育の学力観について、論考を基にして、議論を交わしています。今回の授業では、佐藤学さん「リテラシーの概念とその再定義」という論考を基に話し合われました。リテラシーとは、一般的に、文字情報などを読みとる識字能力などのことを指します。佐藤さんは、この中で、リテラシーという言葉が、本来、19世紀以降の英語圏においてどのように位置付けられてきたのか、また、現代社会において新しく必要とされる能力とは何かを論じておられます。従来の学力は読み取る能力のみが重視されてきましたが、現在は、様々な状況に応じて応用できる能力が重視されております。それは、自ら問題意識を持って、自分の知識•技能を活用できる能力、コンピテンスと呼ばれております。  確かに、学校現場の授業においても、現在、生徒が社会や学外において技能が活用できるような授業計画が必要とされております。ですが、図画工作•美術教育の場合、そもそも、一般的な日常生活レベルの中で、美術の能力がどう役に立つのかも明らかにする必要があります。例えば、絵を描かせることは、情操を養い、色彩に対して敏感になることが目的とされ、決して画家になるためではない、とされます。専門家のための教育ではなく、義務教育ですから当然かもしれませんが。。。更に、ここで学習した内容が社会でどのような役に立つのか、その応用力を授業でどう教えるのか、また、それをどう評価するのか、という大変難しい問題があります。この授業では、美術の能力について様々なことが議論されました。