芸術科教育コースによるブログです。授業内容や学校生活の様子などを更新していきます。

2012年3月8日木曜日

3月3日(土)の筑波大学の「未来の子ども育ち研究支援センターの創設」シンポジウム・調査報告会について

こんにちは。先週土曜日(3月3日)に、筑波大学の「未来の子ども育ち研究支援センターの創設」シンポジウム・調査報告会が開催されました。この調査は、現在の「子どもの運動能力、社会性、学力、言語力などの低下」などから「子どもの育ちの危機」が問題視される中、「未来社会でつながりをもってたくましく生きるために子どもが身につけるべき基本的な力=キー・コンピテンシー(key competencies)」を定め、調査することになったそうです(*レジュメから抜粋)。
 つくば市の教育委員会と筑波大学が提携し、つくば市内の小学校を対象にし、子どもの運動能力や芸術的な能力などを調査しました。
 芸術科教育コースからは、石崎和宏先生が、つくば市の小学校を調査した結果(中間報告)を「芸術的感性の発達」として調査報告されました。
 調査の目的はレジュメによると、「(1)アートを通じてイメージと言葉を相互作用的につなげ、考えを柔軟に組み立てる力を『芸術的感性コンピテンシー』ととらえ、その力を測定する尺度を開発する」「(2)形とイメージをつなげる力、イメージと言葉をつなげる力、考えを組み立てる力の関係を総合的に分析する」とあります。
 子どもの芸術的感性の調査は、「調査票」を使って行われます。この調査票には、マグリットの「大家族」という絵の輪郭線(*鳥がY字型に大きく羽ばたいている形・海の地平線)のみが記された絵があり、自由に子ども達が描き足すことができるようになっています。さらに、調査票には、この絵の他に、絵を見て感じたこと、考えたことを文章で書き記すことができるような欄が数多くあります。
 子ども達は、先ず、マグリット「大家族」の輪郭線から自由に発想を膨らませて、クーピーを使い描写を加えます(10分)。次に、その描いた絵に題名と、その絵が語る物語を記します(5分)。次に、実際のマグリット「大家族」の実物の複製画を配布し、子ども達に観てもらい、マグリットの実物の絵の中で対比しているものを探し作品分析をしてもらいます(5分)。次に、マグリット「大家族」の作品説明を配布し、作品の背景を知ってもらいます(3分)。最後に、これまでの分析や作品情報、感じたこと知ったことをつなげ、作品に何らかの判断を下してもらいます(5分)。ここで終了です。子ども達の調査結果などは、ここでは割愛させて頂きます。
 当日は、大学関係者のみに留まらず、現場の教員の方など数多くの方が出席され、とても意義深い意見交換も行われました。