芸術科教育コースによるブログです。授業内容や学校生活の様子などを更新していきます。

2013年2月4日月曜日

芸術科教育特講(1月)ついて



水曜の芸術科教育特講の授業(3学期)では、院生の方が選んだ研究論文を基にデイスカッションをしております。1月は、以下の日程の基、3編の論考を基に、考察を行いました。全体的に、美術制作を苦手とする生徒さんを対象にしたものであったように思えます。実際の授業の中で、どのような支援を行えばよいのか、その手掛かりを見つけていきたいものです。

201319()*授業なし
2013116()/高浦浩「児童画のつまづきの基本構造観察表現におけるつまずきの傾向と発生原因」『美術教育学』第9号、1987年、123-133頁。
2013123()/竹内晋平「相互鑑賞を通した自尊感情の形成図画工作での実践と心理測定結果からー」『美術教育学』第29号、2008年、327-338頁。
2013130()/奥美佐子「描画過程における子ども間の模倣の研究模倣を創造へ導くためにー」『神戸松蔭女子学院大学研究紀要・人間科学部編』第1号、2012年、61-73頁。

2013年2月1日金曜日

芸術科教育コースの平成24年度1〜2月の予定


 同コースに進学を希望されている方もこのブログを見られているかと思いますので、ご参考までに、平成24年度の修了間際の1〜2月(*来年度平成25年度は日付・日程等、異ります)の芸術科教育コースの主な予定について記しておきました。来年度から、筑波大学は3学期制から2学期制へと変更しますので、授業内容は変更するもしれませんが、とりあえずご参考までに・・・。

平成24年度(*あくまで芸術科教育コースの予定であり、全学の予定ではないため、他のコースや領域では修士論文の提出、審査会など日付が異なります。)
1月
●1月8日(火)芸術鑑賞論A(4回目)12:15〜13:30/芸術科教育研究(4回目)15:15〜16:30
●1月9日(水)修士論文提出〆切13:00〜16:00*芸術科教育特講(休講)
●1月15日(火)芸術鑑賞論A(5回目)12:15〜13:30/芸術科教育研究(5回目)15:15〜16:30
●1月16日(水)芸術科教育特講(4回目)12:15〜13:30
●1月22日(火)芸術鑑賞論A(6回目)12:15〜13:30/芸術科教育研究(6回目)15:15〜16:30
●1月23日(水)芸術科教育特講(5回目)12:15〜13:30
●1月29日(火)芸術鑑賞論A(7回目)12:15〜13:30/芸術科教育研究(7回目)15:15〜16:30
●1月30日(水)芸術科教育特講(6回目)12:15〜13:30
●1月31日(木)修士論文審査会(口述試験)11:00〜11:45、13:00〜13:45

2月
●2月5日(火)芸術鑑賞論A(8回目)12:15〜13:30、芸術科教育研究(8回目)15:15〜16:30
●2月6日(水)教育研究科入試(二次試験)*芸術科教育特講(休講)
●2月12日(火)芸術鑑賞論A(9回目)12:15〜13:30、芸術科教育研究(9回目)15:15〜16:30
●2月13日(水)芸術科教育特講(7回目)12:15〜13:30
●2月19日(火)芸術鑑賞論A(10回目)12:15〜13:30、芸術科教育研究(10回目)15:15〜16:30
●2月20日(水)芸術科教育特講(8回目)12:15〜13:30

2013年1月17日木曜日

芸術科教育特講(水曜)の授業について

1月15日(水)には、芸術科教育特講のゼミがありました。3学期は、院生の方が自身で選んだ美術教育研究に関する論文を持ち寄り、事前にゼミ参加者の方々全員に読んでもらっておいて、それをテーマに問題意識を持ちデイスカッションするという内容となっております。昨日は、高浦浩「児童画のつまずきの基本構造:観察表現におけるつまずきの傾向と発生原因」『美術科教育学会』第9号、1987年,pp.123-133.を基にデスカッションを行いました。この研究は、小学生の手の描画活動の中で、どのような“つまづき”がみられるのかを調査・分析したものです。ここでいう“つまづき”の定義は、筆者によると、「1.教師の眼から見て、当然到達可能と思われる平均的な表現水準から著しく逸脱しているとき」「2.児童自身、意図した表現が思いどおりにできないとき」「3.表現活動が停滞したとき」。の3点があげられております(p.124)。これに沿い、表現活動に関する“つまづき”の定義としては、「1.表現のつまづきは関係把握の誤りやあいまいさによっておきる」「2.表現のつまづきは表現の見通しの不確かさによっておきる」「3.表現のつまづきには下地となる状況がある」の3点となります。(p.125)。例えば、1.に沿い、描画活動を考えてみると、描くモチーフの「大小の釣り合い」「部分と全体のつながり」「前後の位置」「空間構成上の種々の造形的要素」が基準となります(p.125)。これらの基準を基に、各学年の生徒の描いた手の描画が調査・分析されました。ゼミでは、指導者側の教師が期待する観点が中心となり描画が評価されている点、生徒が描画を描き直した回数や訂正箇所を分析の対象としている点、などをデイスカッションしました。

2013年1月14日月曜日

今年も芸術科教育コースをどうぞよろしくお願いいたします。

 今年も芸術科教育コース(筑波大学大学院教育研究科)をどうぞよろしくお願いいたします。先週火曜(1月8日)から今年の本コースの授業が開始しました。3学期の芸術鑑賞論Aの授業では、道徳的な葛藤(モラル・ジレンマ)をテーマにした鑑賞教育、美的判断ジレンマを中心に置いた鑑賞方法の考察について行っております。例えば、美術館の所蔵作品が偽物だと分かった時、あなたが館長ならどのような判断と行動をしますか、など、広く芸術に関連するエピソードを知ったうえで、葛藤(ジレンマ)が生じるような問いをたて、鑑賞者がそれに答えるものを指します。この授業では、受講生の方が自身でエピソードを持ち寄り、問いをたて、ミニ実践を行って頂きます。これまで3回の授業を通じ、先生が実際に道徳的なジレンマを受けるような課題例をとりあげ、受講生の方にその有効性を検討して頂きました。今回の4回目の授業では、受講生の方々が取り上げて来た道徳的なジレンマに関するエピソードと問いの有効性をみなさんで検討して頂きました。今週の授業の中で、もう一度、検討した後、来週から受講生の方々のミニ実践がスタートします(毎回の授業お二人づつの発表を予定)。

2012年12月14日金曜日

3学期の芸術科教育特講の授業が始まりました。

12月5日(水)から、3学期の芸術科教育特講の授業が始まりました。今学期の授業では、学習科学というテーマのもと、美術教育の研究方法について考察することになりました。三宅なほみ・三宅芳雄・白水始「学習科学と認知科学」『Cognitive Studies』9(3),pp.328-337(Sep.2002)によると、学習科学の特徴として「現場の学習を扱うこと・認知研究を基盤にすること・テクノロジーを駆使すること」(p.328)の3つがあげられています。第二回目の授業では、学習科学について、映像を通じて、数学アートの世界やコンピューターを使った図画の授業を見た後、前述の論考を基に、一例として、生徒同士が互いに学びあう協調学習の効果などについて考察しました。

2012年12月13日木曜日

3学期の芸術鑑賞論Aの授業が始まりました。

 12月4日(火)から芸術鑑賞論Aの3学期の授業が始まりました。今学期は、「モラル・ジレンマ」というテーマから、芸術鑑賞の可能性を考察することになりました。「モラル・ジレンマ」とは、人間が、道徳的なジレンマや葛藤を感じる場面に遭遇した際の状態を指します。このような状況に遭遇した際、どうすればよいのか、もしくは、どちらかに選択しなければなりませんが、その全ての選択肢に同等の価値が認められ、どちらかに優劣の順位をつけなければならない状態になります。この状態の際、人間は、道徳的な問題の観点に頼って、選択肢の優劣の順位を決まるしかありません。これが「モラル・ジレンマ」となります。  例えば、美術にこの問題をあてはめてみるとどうでしょうか。ある美術館の有名な美術作品が事件に遭遇し、損傷してしまったとします。その後、それを修復する際、実は偽物であったと分かったとします。その美術館の館長は、「このまま修復を続けるべきかどうか」悩むかと思います。この館長の立場となって、この問題を考えた際、ただ、修復するかしないのかを答えるだけでなく、なぜ、そう選んだのかという理由も考えて答える必要があります。  今学期は、受講者のみなさんが、このように、「モラル・ジレンマ」を美術業界にあてはめた際、どのような状況が考えられるのか、また、それに対してどのような回答を得られるのかを、実践し学びます。その後、各受講者のみなさんが、独自にこの「モラル・ジレンマ」を活用して、鑑賞計画を建て、ミニ実践を行ってもらうことになります。

2012年11月30日金曜日

2学期の「芸術鑑賞論A」(火曜3限)の授業が終わりました。

 11月13日(火)、2学期の「芸術鑑賞論A」の授業が終わりました。今学期は、アメリカのフェルドマン(Edmund Feldman)という方が提案した美術批評の方法を用いて、受講生の方々が各自、オリジナルのワークショップを提案し、授業内で行ってきました。その結果を踏まえ、反省点を各自の鑑賞方法に生かす、というものを行いました。8人の受講生の方に、毎回お2人ずつワークショップを実演して頂き、他の受講生の方々が参加者となり、毎回、終わった後に意見やアドバイスを交換しあいました。全て、とてもユニークなワークショップが行われ、各受講生の方々の個性があらわれたものとなりました。  前回、この授業で行われてきた鑑賞のワークショップについてご紹介しましたが、他のお二人の実演についても簡単に述べさせて頂きたいと思います。  ●アーテイストの藤浩志さんの提案した「かえっこ」という芸術活動をワークショップの題材として導入された方がおられました。藤さんは使わなくなったおもちゃを組み合わせ造形作品を創っておられる方です。それだけでなく、「かえっこ」と呼ばれ、使わなくなった、おもちゃを市民の方が持ってきて、別のものと交換するシステムを提案しています。ワークショップの中では、この「かえっこ」を、実物のおもちゃではなく、おもちゃの写真を使って体験することになりました。参加者の方達は2人一組になって、「かえっこ」を体験しました。  ●日本の仏像の鑑賞ワークショップも行われました。仏像は、その造形形式の特徴により、位(くらい)が分かるようです。どのような造形の特徴を見て、位が判断できるのか、ワークショップが行われました。参加者の方達は2人1組になり、自分たちで話しあって、配布された仏像の写真を位によって並べる活動を行いました。その後、仏像の位についての説明を受けました。